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鉄道にどれだけ乗ったらどれだけお金がかかるのか…というコンセプトで約3年綴った「乗り鉄の経済学」はしばらくお休みします。3歳児を抱えて「ベビ鉄=赤ちゃん連れの鉄道旅」の修行中。
by jtyk
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2010.9.13(2)失意の「バス鉄」ノルウェー入国



スウェーデンの最果て、キールナ駅を10:00頃に出発し
ほどなくロコモーティブがブロークンし
待つこと2時間あまり。


最初はウホウホ喜んで車両周辺の写真を撮りまくっていましたが
さすがに暇をもてあまし、寝台をふたたびセットして昼寝。
朝5時頃から起きていたので、速攻で熟睡モードに入りました。


コンコン。
ふたたびドアがノックされました。
腕時計を見ると、13時ちょい前です。


ドアを開けると、銀河鉄道のおじさんでした。
紺色の制服をビシッと着ていますが、かなり憔悴のご様子。



 ハロー。
 ワタシタチ、バス、ノリカエマス。
 トレイン、オリテクダサイ。

 エ? マジッスカ?
 アノ、デモ、ワタシ……。

 バス、マモナク、キマス。
 ニモツ、ゼンブ、モッテ、オリテクダサイ。



またもや、ハーッと大きなため息をついて
銀河鉄道のおじさんは去ってしまいました。


なんということでしょう。
オーマイブッダ。



 私たち、新婚旅行なんです。
 日本から何時間もかけて北欧まで来て、
 ストックホルムから何時間もかけて、
 やっとここまで来たんです。
 キールナからナルヴィークの区間が
 この路線のクライマックスなんですよ。
 鉄道じゃないと、意味ないんです。
 どうして、バス代行なんですか。
 機関車をつけかえればいいじゃないですか。
 キールナ、そんなに遠くないでしょ。
 貨物列車の機関車がたくさんあるでしょ。
 とにかく鉄道に乗りたいんです。
 わたしたち、ここで待ちます。
 夕暮れまでにナルヴィークに到着すればいいので
 何時でもかまいません、ここで待ちます。
 代行バスなんて絶対に嫌です。
 鉄道じゃなきゃ、やだ、やだ、やだ。。。



そんなこと、言える度胸も、英語力も、ありません。


泣きそうになるのを我慢して
荷物を持って、列車を降りました。


やがて、空港バスみたいなのが1台やってきて
1等車の乗客も、2等車の乗客も、ひたすらつめこまれます。
寝台列車は8両編成ほどでお客さんも相当いましたから
座れないと騒ぐお客さんもいました。


座れないお客さんは補助席になったのか
乗るのをあきらめたのか、よくわかりませんが
とにかく13:10頃、代行バス出発。


せっかく、ここまで来たのに。


あまりにも悔しくて、悲しくて、
写真を撮る気にもなれず、窓の外を眺める気にもなれず
むっつり黙っていました。


バスは山道を抜けて、舗装された広い道路へ出ました。
すると、旦那が「あれ見て!」と。


2010.9.13(2)失意の「バス鉄」ノルウェー入国_a0163838_23274861.jpg



キールナ〜アビスコ間は、鉄道と道路が並走しているのです。
鉄橋を外から眺めるなんて、なかなかレアな経験です。
あの真っ赤な機関車がここを駆け抜ける姿を妄想しつつ
線路をひたすら目で追いました。


ふと、1年前の出来事が、よみがえりました。
2009年10月29日。
JR東海が、名松線の家城〜伊勢奥津の区間を、見捨てた日。
台風で被害を受けた名松線の復旧を断念し
バス代行に切り替えるとのニュースリリースを発表。
あまりにも悲しくて、その翌週、名松線を訪問し
代行バスの窓から、崩れた線路をじっと目で追い続けたのでした。


名松線が全線復旧する可能性は、もうほとんど無いでしょう。
それに比べれば、絶望的な状況ではありません。
キールナ〜ナルヴィーク間の線路は
鉄鉱石を運搬するために、頑丈に造られています。
ふたりで頑張って働いて、いつか再び北欧を訪れる日まで
きっと、この線路は待っていてくれるはず。


夢を、持たなきゃね。


新しい生活は、まだ始まったばかりです。
思いどおりにいかないことも、悲しいこともあるけど
夢を持って、頑張っていくんだよね。


窓の外の線路を眺めて、泣いたり笑ったりしている私を
旦那はただ、不思議そうに見ていました。




2010.9.13(2)失意の「バス鉄」ノルウェー入国_a0163838_23243189.jpg

▲BERGFORS(ベルグフォルス?)駅 
 こんな小さな無人駅、列車だったら見落としたかもしれません


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▲LKABと書かれた機関車が、空のホッパー車を牽いていきます


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▲1両編成のローカル列車を捕獲! なんて愛くるしいのでしょう


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▲アビスコ国立公園あたりは、バスの窓からでも見応えたっぷり
 外気温10℃ほどで、木々はすっかり紅葉しています


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▲山道を登りつづけると、やがて草木は枯れて岩だらけになります
 冬はスキー場になるのでしょうか…謎のリフトが出現


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▲バス車内で流れていたラジオも電波が途切れ、いよいよ隣国へ
 賽の河原のような荒野に建つ、ノルウェー国旗を掲げた一軒家


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▲ひとつ積んでは父のため…? あちこちに石が積まれていました
 スウェーデンとノルウェーの国境には霊魂が棲むのでしょうか


2010.9.13(2)失意の「バス鉄」ノルウェー入国_a0163838_1619129.jpg

▲山を下りてフィヨルドが見えてくる辺りになると
 鉄道と道路はまったく離れてしまいます
 列車は山の中腹を走るので、フィヨルドを眼下に見下ろせますが
 バスは水面に近い道路を走るため、見晴らしは残念な感じです


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▲いよいよナルヴィークに入り、駅前の跨線橋を渡ります


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▲ナルヴィーク駅、15:25到着 …約2時間45分の遅れをもって…


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▲"Stasjonsveien" の看板をつけた駅の一角 青空が目にしみるわ






やっと念願のナルヴィークに到着したものの
あまりにもいろんな事件がありすぎて、ぐったり疲労。
昼ごはんも食べていなかったので
とにかく宿に荷物を置いて、メシだメシだ!


スーパーマーケット "RIMI" で
スモークサーモンとレモンとビールを買い込んで
ホテルの部屋でおつかれ会をしていたら
ふたりとも、そのまま爆睡してしまいました。
17時頃だったでしょうか。


ナルヴィークの観光スポットである
ロープウェーにも乗らず、戦争博物館にもいかず
私たちは何しに行ったのでしょうか。






つづく。






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by jtyk | 2010-09-13 00:01 | 新婚旅行
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